びたーちょこれーと。
ガラッと体育館の扉を開けた瞬間、ラケットが降ってきて俺の頭に当たった。
「~っ」
「ご、ごめん卯月!!!!」
駆け寄ってきたのは睦月だった。
「いてぇよ!」
霜月の事もあって苛々していたからか、声が荒くなった。
睦月はビクッとして、涙目で俺を見た。
「ご、ごめん…なさい」
(なに俺は睦月に当たってるんだ!)
「悪い、強く言い過ぎた」
睦月の頭をポン、と叩いて荷物置場に向かった。
頭がズキズキする。
でも、それ以上に心が激しく鼓動していた。