びたーちょこれーと。
012 「ごめん、やっぱ別れよう」
「ごめん、やっぱ別れよう」
10月の半ば。
銀杏が綺麗だな、なんて思いながら、私は言った。
霜月に向かって、初めて会って言った。
今まで電話でしかこういう話をしなかった。
逃げていた。
「睦月…何で………」
別れようと決めたのは、よく恋の相談をした花音ちゃんと数学の先生と話したから。
やっと、自分の想いに気付けた。
いつもちょっとだけ、私の中にわだかまりを作っていた霜月という存在。
曖昧で、はっきりしなかった。