びたーちょこれーと。
つまり、望みがないってことだ。
「どうした?卯月?」
「あ、いや、なんでもねぇ。
トイレ行ってくる」
今、霜月の顔を見たくなかった。
そりゃ、霜月に自分の気持ちなんて言わなかったから、
霜月はお構いなしにああいう話題をぶっこむことなんて普通だ。
ただ、想うだけにしようと決めたじゃないか。
どうして、こんなに辛いんだよ。
涙が、溢れそうなんだよ。
「くそ……」
ただ、睦月を独占したいって言う、とてつもなく本能に近い感情を一生懸命自分の中で殺した。
でも、睦月を好きって気持ちは殺せなかった。