びたーちょこれーと。






「きゃ…」

前に落ちる、と思って構えた。


でもお腹に何か感触があって、背中に温もりを感じた。



「あぶねーな…」


卯月が私をキャッチしてくれた。


卯月の吐息が首に掛かる。
汗をかいたうちの首がヒヤリとした。


「ご、ごめ…」


細いと思ってた卯月の腕は力強く、やっぱり男だった。



うちがちゃんと立つと、卯月は優しく腕を離した。


「相変わらずおっちょこちょいだな」

卯月が笑う。



胸が少し、トクンとした。






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