びたーちょこれーと。
ガタンッとゴンドラが揺れて、うちは「ひゃあ」っと叫んだ。
卯月が私の隣にピッタリ寄り添い、うちの左手を握った。
「ふぇ…?卯月……?」
「黙ってろ」
卯月はそっぽを向いて外を見ていた。
でも、うちから見える卯月の頬が真っ赤になっていた。
(や、やばい…
て…手汗大丈夫かな……)
心臓が更にバクバクと鳴り出す。
ガタ、とゴンドラがまた動き出した。
『お待たせ致しました。通常通り運行致します。』