びたーちょこれーと。






動きだしても卯月は手を離さなかった。


卯月の匂いがする。

どうしよ、変態?私…。




「外、見てみ?」

卯月が呟き、私も外を見た。



「わぁ……!」


夕焼けに染まった町並みがキラキラして、海もオレンジ色だ。



少しずつ下に下りていくゴンドラ。

なんだか寂しい。



「…また一緒に来れるといいね」

「高所恐怖症が治ったらな」


「な!」


「でも、そのままでも良いかもな、またこ…」


卯月が目線を前に移しながら言っていたが、固まった。


「え?」



うちも前を見た。






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