びたーちょこれーと。
映画館に着いて、私はチケットを買っていた。
と、横で未琴ちゃんがあっと声を漏らした。
「「あ」」
師走と卯月が居た。
珍しいコンビだな。
「よぉ、睦月は葬式以来だな」
師走が相変わらずイラッとする歩き方で手を振った。
「……」
未琴ちゃんは泣きそうな顔をしている。
師走はやっべ、と呟いて未琴ちゃんの背中を叩いた。
「お前、もう気にすんなよ!
渡井はお前を恨んで死んだわけじゃねーよ!」
「グスッ…」
未琴ちゃんは見る見る泣き出して、師走は更にテンパって卯月に助けを求めた。