びたーちょこれーと。
021 「…好きだよ、お前が」
「…好きだよ、お前が」
曲に合わせて言ったのかと思った。
確かに、今うちと卯月は向かい合って夕日の射すカフェにいる。
「……返事は?」
卯月がジッと私を見つめる。
「えっ…今の歌ったんじゃ…」
「歌ってねーよ
俺は、睦月が好きなの」
卯月の目がオレンジ色だ。
「……う、うちも…卯月が好きだよ」
曲が終わって、しばしお店と私達の間に静寂が訪れた。
「……マジで?」
卯月は顔を真っ赤にして目を逸らした。
「……マジです」
つられて私も真っ赤になり、焦ってカフェオレを飲み干す。