びたーちょこれーと。
「このお化け屋敷長くない…?」
「順路間違えたかな…」
パンフレットには15分で出れると書いてあるのに、もう30分は歩いている。
「……さっき歩いたな」
「あ、この鏡見たね」
どうやら同じ場所を行き来してるみたいだ。
ゾクッと背筋が凍る。
珍しく、嫌な予感がした。
………あれ…卯月?
卯月が見当たらない。
「うわぁ!!!」
遠くで卯月の叫び声がした。
「卯月??!」
私は走り出す。
でも、何度走っても同じ場所。
卯月が居ない。
その場に立ちすくむと、目線の奥に人影。
「卯月?」
でも人影は行ってしまう。