びたーちょこれーと。
023 「待って、行かないで…!」
「待って、行かないで……!!」
走って追い掛けると、黒い靄に包まれた。
「いやっ…卯月…卯月ぃ!!!」
パンッと靄が晴れて、目の前に卯月が居た。
「卯月っ………!!!!」
「わっ…」
うちは卯月に抱き着いた。
「おま…どこ行ってたんだよ…!!」
卯月が私の肩を掴む。
「わかんな…」
卯月が目の前に居るってだけで、安心しきって泣いてしまった。
「もうすぐゴールだ」
卯月は泣きじゃくる私の手を掴んで歩きだした。