びたーちょこれーと。
日が短いからか、もう軽く空がオレンジ掛かっている。
「ほら、紅茶」
卯月が頬にペットボトルを当ててきた。
「あち、ありがと」
すん、と紅茶とミルクの甘い香り。
「てか、卯月よくうちがミルクティー好きなの知ってたね?」
「よくお前がミルクティー買ってるの見掛けてたからな」
卯月は、本当に私を見ていてくれたんだなぁ。
卯月はこんな寒い中ファンタを飲んでいる。
「さ、寒くないの?」
「寒い」
「じゃあ温かいの飲みなよ!」
「いや、ファンタが飲みたいんだよ」
卯月の不思議さは相変わらずだな。