びたーちょこれーと。
わぁわぁと体育館の一角で睦月と師走がまた言い争いしてる。
最近落ち着いたと思ったのにまた睦月にちょっかいを出している。
まったく、やっぱ師走は睦月が好きなんだな。
「恋敵…か」
ラケットの保護シートを剥がしながら呟いた。
「卯月ーっ打とうぜっ!」
少し遠くで椿本に呼ばれ、俺は横目で睦月と師走を見ながら卓球に集中しようとした。
でも。
師走と話してる睦月の顔が頭から離れない。
モヤモヤ。
モヤモヤ。
モヤモヤ。
ダメだ。
俺は顔を洗いに行った。