君が好き
タクシーに乗ってケータイを開く
“新着メール一件”
ケータイを開くとそう表示されていた
「・・・」
メールを開くと
“咲”
そう表示される。顔が自然に緩むのがわかる
『瑞樹君、仕事お疲れ様です。今日は午後瑞樹君の家にいってもいいですか?』
咲・・・静村咲
俺の彼女。しかも大学生
ふわふわした感じのかわいい子
ケータイを閉じて
俺は運転手さんに
「すいません。やっぱりここにいってもらっていいですか?」
と言って咲の家の方向をいった
「わかりました。・・・彼女さんですか?」
にこにこ笑いながら運転手さんは言ってきた
「アハハ・・・ええ。せっかく仕事が終わったんで顔を出そうかと」
少し照れながら言う
「そうなんですか。喜ぶといいですね」
「ありがとうございます。なかなか会ってあげられないんで・・・」
苦笑いで答える
仕事が忙しくて、なかなか会えない。
それでも文句を全然言わない咲を見ると申し訳なく思うのと同じくらい
愛しく感じる・・・