もう一度だけ。


- 陸side -



「誘ってるの?」


俺がそう聞いたとき美舞が


「そう見える?」

と聞くと

「じゃぁそう受け取ってくださいな?」


そういった佐伯が服を脱いで着替えようとした




そっと押し倒すと佐伯はちょっと驚いたような顔をしたけどまたすぐにいつもの冷静な顔に戻った



首筋にキスをしたりなぞったりしてみた






美舞は反応はするもののちょっと楽しんでいるように見えた

そのうち美舞が叫んでその声にひるんだ瞬間に蹴られて離れた









「ふざけちゃだめだから!!」



笑い混じりにそういわれキスされた






・・・!!




唖然とする俺に対して美舞は「1000m行ってくる♪」といってあっという間にいなくなった










美舞が俺に対して「初めて」と言った

でもそれは確実に嘘だ。と分かっている・・・
だって初めての女だったら普通あんなふうに笑えない。楽しめるわけないじゃんか




本当に美舞なのかな

美舞だとしたら。

どうして佐伯なの?
どうしてそんなに冷たくなったの?
どうして昔みたいに笑ってくれないの?

どうして・・・どうして、どうして・・・どうして?




何も分からない



ただ分かるのは

俺には分からないことだらけだって事だけなんだ




久しぶりに自分の無力さが身に染みた







―――ってか俺肉に負けた








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