もう一度だけ。


- 美舞side -




「よーい!」

バンッ




ピストルの音とともにみんなが一斉に走り出した

最近運動してなかったから正直結構キツイ・・・






「がんばれー!」


――もうがんばってますってば

声援に不満を募らせながらも走り続けていると突然目の前の集団がドミノのように倒れた




危うく巻き込まれそうになったが目の前の石に躓くことで集団ではなく1人で転ぶことになった



―――その瞬間美舞モードのカツラがスポ―――――ンと華麗に飛んだ





選手達も目的を忘れてカツラの行方を目で追った



・・・カツラは放送席にいたちょっと優等生っぽい少年(亜希奈に大恥をかかせたのはコイツ)の髪の上に見事に着地した




「あ゛――――――――――――――――――――ッ」





その瞬間アタシの目の前にはめちゃくちゃ見覚えのある顔が現れた




「紗織!!」


ずっと探していたのに。

今まで優等生として学校に紛れ込んでいた癖に何もアタシに言わなかった親友が一瞬にして憎たらしく見え、今すぐにでも殴りに行きたくなった





――が


「佐伯、焼肉!」

と言う隼の声にやるべき事を思い出し慌てて走り出した


既に思い出していた他のクラスの代表は既に半分以上走り終えていた





あたしは一気にスパートを懸け全速力で肉のため!!と前方にいる選手を追いかけた




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