もう一度だけ。
- 陸side -
「優舞!」
俺が4・5m先にいる優舞に大声で呼びかけると優舞はまるで逃げるように正反対の方向に走り出した
俺たちは必死で優舞を追いかけた
でも優舞の走りは俺たちよりはるかに早く腰パンでズボンが邪魔なのもかまわずあっという間に消え去った
俺たちはそれぞれ分かれて探すことにしたがあてもなく校舎を歩いても無駄なような気がした
「ね?ここら辺に超カッケー男の人通らなかった?」
階段にたむろしてる女にそう聞くと女達はキャピキャピ聞きにくい声で口々に言った
「そうそう超カッコよかったよね~」
「話しかけてもシカトされたけど~・・・」
「ってかまっじ好み☆」
「どっち行った?」
聞くだけ無駄だと思い女たちのしゃべりをさえぎって聞いた
すると女は
「屋上だけどォー」
とだけ言ってそれぞれいなくなった
窓の外を見るといつの間にか雨が大降りになっていた