もう一度だけ。
「なんで?お前総長じゃん」
「総長にだって無理なことあるんだよ」
そうしゃべりながらも優舞の頬を伝う涙が途切れることはなく
ただひたすら流れ続けていた
「俺さ、小さい頃に大好きな奴俺のせいで死なせちまったんだ・・・
それだけじゃない・・・そいつの弟の記憶まで奪ったんだ・・・」
優舞はポツリポツリと話しだした
「そんで俺は何も出来なくて・・・
俺なんかを守ったからアイツが死んだのに・・・
俺が死ねばよかったのにって・・・」
「で?なんでいきなり昔話?」
ワケが分からなくなった俺は優舞に聞いた
「交通事故」
「は・・・?」
「ってなんで俺こんな話してんだろうな♪
さッ帰るかな」
優舞はそれだけ言うと立ち上がり屋上の扉に手をかけた
「護にお大事にって伝えといてくれる?」
優舞が扉の向こうに消えながらもはっきりと聞き取れる声で言った
「あぁ」