もう一度だけ。


ったくこんな雨の日に俺を呼び出すな!



雨の日は嫌いなんだから・・・

髪がクルクルして女っぽくなるだよ(怒)




いつもの廃工場に近づくといかにも誰かが暴れているような音がした


「うっわ」

「ぎゃぁぁぁ!」

「ふざけんな」




・・・悲鳴?




「きゃっははー♪」


・・・この声――今日に限って嫌な予感がする





廃工場の扉を開けるとそこには俺が会いたかったけど会いたくなかった女がいた


俺の一番の理解者・・・綾紘紗織

幼馴染みで唯一の家族っていえる人



一番信じてる人なんだけど―――





「酔ってるし」



昼間から酒飲むなんてどんな神経してんだよ!

って言いたかったけどそんなこといったら酔ってるあいつにはまったく無意味って――かむしろ逆効果だし



「あーww優舞だぁ~」

「酔ってるでしょ?」

「酔ってないれすよー」

「酔ってんだ・・・」

「優舞に会いたかったぁ」

「俺は・・・酔ってるお前には会いたくなかった」

「にゃはー」


紗織はそういうと突然パタっと倒れた


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