僕らが今いる今日は
ただでさえ女の子と話すのが苦手なのに、こんな態度を取られてしまっては一体何を話せばいいのか分からなくなってしまう。


「俺さ、陸上部なんだけど・・・

今度良かったら、俺の走っている絵描いてよ」


そう言い切る前に、大きな音を立てて女の子は立ち上がりこちらを向いた。

その動作にこちらが驚いたのを見ると、明らかに不機嫌そうなため息をついた。


「・・・

相澤くんでしょ」


「えっ、そうだけど、どうして俺の名前知ってるの」


名乗ってもいないのに、俺の名前を言ってきたことに更に驚いた。

それよりも驚きなのは、昨日の女の子とは本当は別人じゃないかという思いが出てくるほど、今日の女の子の態度は正反対だ。


「その茶髪目立つし。

ねえ・・・

すごく迷惑なんだけど。

昨日から何なの？

自分のことしか考えてないわけ？」


「何だよ、昨日はあんなに快くほうじ茶シュークリームくれたのに。

それに髪は地毛、人を髪の色で判断すんなよ」


「昨日はこっちの都合でたまたまそういうことになっただけ」


そう言うと、女の子はまた絵のほうに体を向き直した。

何が何だか分からないまま、女の子とのやり取り終わってしまった。
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