僕らが今いる今日は
しばらく歩いていると、後ろから桐島たちが早足で追い付いてきた。
「今の人って?」
キハラノゾミが不思議そうな顔でこちらを見てきた。
どうやら、桐島はそのことに何も説明しなかったようだ。
こういう何気ない桐島の優しさは、俺にとって本当に有りがたく、何度も救われてきた。
「神城学院の陸上部の監督だよ」
「へえ。
でも、若そうで相澤くんに似てて、ちょっと格好良かったかも」
「それは・・・」
「桐島、いいよ」
さすがにこの流れは桐島でも止めることができなくなってしまった。
別に隠すことでもないし、適当に誤魔化して後々変な感じになるのも嫌だし、言っておいたほうが楽だと思った。
「相澤陸(あいざわりく)。
俺の兄貴だよ」
そういうと、何故かキハラノゾミは嬉しそうにはしゃいでいた。
何に対してそんな嬉しいのか・・・
女の子って良く分からない。
逆にヒラオカマコトは、無関心なのか全く表情を変えずにいた。
本当に女の子は分からない。
「それで、相澤監督が言っていた沢木ってのが、走のライバルである沢木健介(さわきけんすけ)」
桐島はそれだけ付け加えると、「そろそろ戻るぞ」と手で合図をしてきた。
キハラノゾミの相手に苦労していたうえに、会いたくない人物に会ってしまって気分が優れない俺には、その合図が神様のように見えた。
「それじゃ、今日はありがと。
よかったら、総体も見に来てくれよな」
二人に桐島が言い、坂高の陸上部の場所へと小走りに向かった。
「今の人って?」
キハラノゾミが不思議そうな顔でこちらを見てきた。
どうやら、桐島はそのことに何も説明しなかったようだ。
こういう何気ない桐島の優しさは、俺にとって本当に有りがたく、何度も救われてきた。
「神城学院の陸上部の監督だよ」
「へえ。
でも、若そうで相澤くんに似てて、ちょっと格好良かったかも」
「それは・・・」
「桐島、いいよ」
さすがにこの流れは桐島でも止めることができなくなってしまった。
別に隠すことでもないし、適当に誤魔化して後々変な感じになるのも嫌だし、言っておいたほうが楽だと思った。
「相澤陸(あいざわりく)。
俺の兄貴だよ」
そういうと、何故かキハラノゾミは嬉しそうにはしゃいでいた。
何に対してそんな嬉しいのか・・・
女の子って良く分からない。
逆にヒラオカマコトは、無関心なのか全く表情を変えずにいた。
本当に女の子は分からない。
「それで、相澤監督が言っていた沢木ってのが、走のライバルである沢木健介(さわきけんすけ)」
桐島はそれだけ付け加えると、「そろそろ戻るぞ」と手で合図をしてきた。
キハラノゾミの相手に苦労していたうえに、会いたくない人物に会ってしまって気分が優れない俺には、その合図が神様のように見えた。
「それじゃ、今日はありがと。
よかったら、総体も見に来てくれよな」
二人に桐島が言い、坂高の陸上部の場所へと小走りに向かった。