僕らが今いる今日は
-今日はお疲れさま。

走っているときの相澤くん、凄く格好良いよ。-
※-内の。は絵文字が入っていると思ってください。


デコレーションメールというやつなのだろうが、色使いが派手すぎて目に疲れが一気にきてしまったような感覚だ。

どうやら、俺の携帯に木原さん自身が勝手に自分の番号とアドレスを登録していたらしい。

一体、どうやって俺の携帯を取り出したのかは謎のままだが。



木原望・・・



悪い人ではないのだろうけど、ちょっと苦手なタイプだ。


-あっ、お兄さんのことで格好良いとかはしゃいじゃってごめんね。

お兄さんのことや、周りからのことなんか気にしないで。

相沢くんは相沢くんだよ。-


派手な色使いのメールを苦労して、ようやく一通り読み終えた。


(うん、悪い人ではないよな)


最後に人の心配をしてくれているのだから悪い人ではないし、第一印象だけで人を決め付けるのはよくないよな。

とりあえず、メールの返事だけはちゃんとしておこう。



「そういえば、何で桐島はヒラオカマコトを競技場に呼んだんだ」


木原さんへのメールを考えていると、咄嗟にヒラオカマコトが頭の中に蘇る。

今まで女の子はもちろんのこと、男友達ですら呼んだことがないというのに・・・


「まさか・・・」


あることが俺の頭の中に浮かんだが、先週の美術室での出来事をヒラオカマコトに謝ることができなかったことを思い出し、すぐに流れていってしまった。

ヒラオカマコトには明日の朝にでも謝りにいこう。
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