僕らが今いる今日は
その日の退屈な授業が頭の中を支配し、いつもは教室に向かう朝の足取りは重たいのだが、今日はけじめをつけたということで足取りは軽い。


「やればできるじゃないか、俺」


独り言を言ってはニヤけている姿は、誰がどうみても怪しいか、おかしな奴だとしか思えないだろう。

だけど、今日はそんなことも気にならないくらいに舞い上がっているから構わない。

廊下から窓の外を見ると、太陽の日差しが空を綺麗に見せていて、まるで今の俺の気持ちのように清々しく見える。


「あっ、そういえば・・・」


さっき、ヒラオカマコトは足に包帯していたけど、怪我でもしたのだろうか。

もしかしたら、一瞬見せた悲しそうな表情と関係しているのかもしれない・・・


「いやいや、考えすぎだろ」


-ヒラオカマコト、足怪我しているぞ

ちゃんと心配してやれよ

あっ、俺からって言うなよ-


教室に着いて、急いでメールを打って送信した。


(ちゃんと心配してやれよ、桐島)


お前の恋、俺は全力で応援してやるぜ。
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