僕らが今いる今日は
校門を出て5分ほど走らせると、古い看板に『多軌屋』の文字が達筆に書かれている。
ようやく、今日のお目当ての店に到着した。
店の中に入り、限定のほうじ茶シュークリームを探す・・・
「あら、相澤くん、いらっしゃい」
いつも笑顔の多軌屋のおばちゃんが、今日もいつも通りの笑顔で俺を迎え入れてくれた。
おばちゃんなら今日の俺の目的は分かっているはずだ。
何故なら、今日のことを先週聞き出したのは目の前にいるおばちゃんならのだから、そのおばちゃんが俺に笑顔を見せるということは間に合ったのか。
「おばちゃん、今日限定のほうじ茶シュークリームはどこ」
「残念ねえ。
今日はもう売り切れになっちゃったの」
そうだった。
おばちゃんはいつも笑顔なのだから、今の俺に対しても、どんなお客さんに対してもこの人は笑顔なのだ。
その優しく包み込むような笑顔が、今は寂しく見えてくる。
「繰り上げスタートかよ・・・」
「たった今、女の子が2つ買っていって・・・
って、相澤くん。
折角、来たんだから何か買っていってよ」
おばちゃんの声が耳に入っては来るものの、すぐに反対の耳からすり抜けていき、全く頭の中に入ってこない。
ただ、ほうじ茶シュークリームを買えなかったという虚しさだけが俺の中に残り、無気力になった状態で店の外へと出た。
ようやく、今日のお目当ての店に到着した。
店の中に入り、限定のほうじ茶シュークリームを探す・・・
「あら、相澤くん、いらっしゃい」
いつも笑顔の多軌屋のおばちゃんが、今日もいつも通りの笑顔で俺を迎え入れてくれた。
おばちゃんなら今日の俺の目的は分かっているはずだ。
何故なら、今日のことを先週聞き出したのは目の前にいるおばちゃんならのだから、そのおばちゃんが俺に笑顔を見せるということは間に合ったのか。
「おばちゃん、今日限定のほうじ茶シュークリームはどこ」
「残念ねえ。
今日はもう売り切れになっちゃったの」
そうだった。
おばちゃんはいつも笑顔なのだから、今の俺に対しても、どんなお客さんに対してもこの人は笑顔なのだ。
その優しく包み込むような笑顔が、今は寂しく見えてくる。
「繰り上げスタートかよ・・・」
「たった今、女の子が2つ買っていって・・・
って、相澤くん。
折角、来たんだから何か買っていってよ」
おばちゃんの声が耳に入っては来るものの、すぐに反対の耳からすり抜けていき、全く頭の中に入ってこない。
ただ、ほうじ茶シュークリームを買えなかったという虚しさだけが俺の中に残り、無気力になった状態で店の外へと出た。