リミット・ラブ
私は





なんで…っ
私が…。

「鈴!」
「!? えっ?」
いつの間にか考えに耽っていたのか
すっかり隆太の存在を忘れていたみたいで
「大丈夫か?」
「何がっ…?」
だんだんと陰る隆太の顔を見て
自分が暗い顔しているのに気づいた

「いや、なんか辛そうな顔してるから」
「そっかな?そんなことないよ」
「…さっきも、だったな」
「…」

隆太は昔から私の雰囲気が違うと何故か気づく
今もそうだ

「あは、うん、またマイナス思考になっちゃったみたい」
「気をつけろよ 心配すっから」

かすかに胸がちりっと痛む

「ごめんごめん 大丈夫だよ!」
隆太はにこっと笑い私の頭をぽんぽんと軽く叩くと
自分の席に戻っていった

また少し切なくなる
自分が


だって


チャイムが静かに鳴った
私は足を自分の机へと向けて歩みだした

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