リミット・ラブ
「終わったぁあぁああ!!!!!」
「うっせえ!」
「榊の声もデカイな」

放課後になりだんだんとクラスメイトが教室から捌けていく
私たちもカバンに教科書を詰めながら雑談をしていた

「体育最悪だったねーまさかの持久走ってね」
「鈴ちゃん、大丈、夫だっ、た…?」
「なんで?」
「そりゃあさ!鈴体力無いからでしょー!!」
「美紅~ そんなはっきり言わなくてもいいじゃん…むう…」
「あは、ごめんごめん!」
「まあ事実なんだけど」
「やっぱりな!」
基本的に話していることは他愛も無い話
今日の授業はどうだった、とか
そういうの。

美紅が机に座る
そして出雲をびしっと指差し
「ていうかさ!」
と言った
「?え、なに?」
「何気さあ出雲が一番体力あるよね!?」
「あっ、美紅も思ってた?私も思ってたんだよ」
「そん、なこと、ないよ?」
「「あるでしょ」」

美紅と私の声がぴったりと被った
「ちょっ、何今の…っはははっ!!すっごいタイミング一緒だった!!!」
「たまにあるよねー」
「すご、かった…!」
けらけらと笑い雑談を続けていく
年相応、って自分で言うのもなんだけど
ころころと話題が変わっていく
誰が誰と付き合ってる、とかフラれたらしいよとか
あのアーティストのCD出るんだよーとか
そんなことを話していたらチャイムが静かに鳴った

「あっ…、下校しなきゃ」
「今日はちょっと喋りすぎたね!!」
「8割美紅なんだけどね」
「えっ」
「出雲もそう思うよね?」
「えっ…と、えと、そう、かな」
「出雲まで!?」
「美紅のせいけってー! さて、出るぞー」

教室を出るのは私たちが最後だった
ちょっとほんとに喋りすぎたかなー、とは思うけど
楽しかったので後悔はない
靴箱まで辿り着くと竜太と優一くんがいた

「お前らおせぇっつの!」
「はあ?誰も待っててくれーなんて言ってねぇっつの!!」
「優一くん、待っててくれて、あり、がと」
「ほら美紅かっわいい出雲ちゃんはお礼を言ってくれるぞ?ほらお前は?言えよ優一様ありがとうございますーって」
「やだね!お前へ感謝する言葉は持ち合わせてないの!」

「あはは、相変わらずというか、なんというか元気というか…」
「うるせぇだけだっつの」
「隆太もありがと」
「別にいいよ、慣れたから」
「そか」
隆太の優しい言葉に笑みが零れる
幸せだな、と感じる

「あーっ、やっぱり2人は付き合ってるっしょ?リア充のオーラだよそれは!」
「リア充って…美紅…」
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