華麗なる偽装結婚


「怜、阿美子さんはダンスにおいてはなかなかのセンスをお持ちだぞ。

お前も踊ってくるといい」

じいさんが笑いながら俺に言う。

何なんだ……?
じいさんがこんな表情を見せるなんて。

生まれて初めて見たような気がする。


「はい。
彼女と踊る機会などこれまでありませんでしたから。

おじい様のおっしゃる事が本当なのか確かめて参ります。

…阿美子、俺とも踊ってくれるかい?」


片手を彼女に差し出して微笑みかける。

「ええ。是非」







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