華麗なる偽装結婚
首を傾げる二人を部屋に残して私は廊下に出た。
早足で彼の元へと向かう。
例え明日にはあなたの笑顔を側で見られなくなったとしても、それでもいいわ。
彼が私に女性としての魅力を感じていない事も知ってる。
この結婚を出来るだけ早く終わらせたい事も。
だけど私は違う。
社長に初めて出会ったあの日から、ずっと思い続けてきたの。
偽装結婚なんて、出来る訳がない。
私の気持ちに偽りなんて、ないから。