華麗なる偽装結婚
「……え……」
葉子は俺の言葉に顔色を変えた。
どうやら思っていた答えではなかったようだ。
「……私を呼んだのは、そのためなの?
奥さん以外の女で自分の気持ちを確かめたかったと……?」
「……すまない。
今まで人を愛した事はなかったからね…。
自分で自分が、よく分からなくて」
「………最低…」
「…俺もそう思う」
葉子は軽く俺をひと睨みしてから部屋の出口へとツカツカと歩いていった。