華麗なる偽装結婚


そう言って葉子は部屋を出るとドアをパタリと閉めた。

「………」

俺は扉を眺めてしばらく呆然としていた。

だが、次の瞬間にふと思い立ってドアに駆け寄るとそれを一気に開いた。


…!!!


そこでは純白のウェディングドレス姿の阿美子と陸が抱き合っていた。


「…な……、何で…」


彼女の開いた素肌の背中に陸の手がそれを包むように優しく触れている。

それを見た瞬間にカッと嫉妬の念が心を急速に揺さぶる。


それと同時に、
阿美子の綺麗な身体のラインに目を奪われた。



どうしたらよいのか分からずに、ただ、二人を呆然と見つめる。




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