華麗なる偽装結婚
芝居とはいえ、式の直前に他の女を控室に招き入れキスを交わす新郎をさぞや軽蔑しただろう。
……いいさ、どう思われても。
これからの三ヶ月の間に、必ず君を本気にさせてみせる。
……そっと唇を離し彼女をじっと見つめる。
潤んだ瞳で俺を見返すその眼光からはひと欠片の愛も感じられない。
軽蔑の眼差し。
「……綺麗だよ、阿美子ちゃん。
このままここに閉じ込めて誰にも見せたくないな……」
「………。
社長の冗談にもいい加減慣れましたわ。
次は何とおっしゃるおつもりかしら。
……『君を愛してる』とでも…?
それはさすがに少し驚きますわね」