華麗なる偽装結婚
いたずらっぽく笑いながらウインクする彼と思わずふと目が合いボッと顔が赤らむ。
「…なっ…、そんな訳ないでしょう?」
再び慌てて目を逸らす。
「…いや、冗談じゃなくそうだと思うよ。
それにね……、もう一つ。
俺達の仲を疑ってる。
君が旦那と目も合わせずによそよそしくしてるからさ」
「べっ、別に私は」
パッと顔を上げるとニコニコ笑う彼の顔。
きゃ。
またしても他を見る。
「ほら。目を逸らす。
冷たいでしょ。新婚なのに。
寂しいなぁ」
「へ、変な事をおっしゃらないで早く資料を…」
「必要ないよ」