華麗なる偽装結婚


「え」

「全部分かってる」

「は。あの……」


「本当は全部覚えてるんだ。
君が慌てるのが見たくて知らないフリをしてただけ。

だから、いらない」


………。

……嘘……。

唖然とする私に彼は笑いながら、静かに立ち上がった。


「……じいさんは何時に来るの」

「……二時頃かと…」


「そ。
じゃあそれまでフリーだね」

あ、そうか。

彼女達と会わないといけないんだ。






< 166 / 252 >

この作品をシェア

pagetop