華麗なる偽装結婚
――「わあ。素敵…」
一時間ほど車に揺られて着いた先は彼の別荘だった。
「どうぞ。入って」
「お邪魔します」
「そうじゃないよ。ただいま、だろ。
君の家でもあるんだから」
「………今はね。
期限付きですが」
「…………」
あれ…?…私、何か変な事……?
彼の顔が曇るのを不思議な気持ちで見ていた。
「…毎日ここに帰ってた」
「え」
「君のいるマンションに帰らずに。
因みに女性を連れて来たのは今日が初めてだよ」
「え」
「参考までにね。
何だか激しく誤解されてるみたいだから」