華麗なる偽装結婚


尾上社長にじいさんのもくろみを聞いた瞬間、俺の頭の中には阿美子の顔しか思い浮かばなかった。

強く………見えない鎖で縛られているかのように、俺の心は阿美子を常に求めている。

それを悟られまいと色んな女を側に置いて彼女にそれを見せてきた。
俺は君など眼中にはないのだと。


………子供みたいに駄々をこねて彼女を困らせていたのか。


……もう…認めざるを得ないな。
この瞳の前に立てば。





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