華麗なる偽装結婚

俺はそっと彼女の手を引きそのまま彼女を抱き寄せてその細い首筋に唇を押しあてた。


「！！？」


阿美子は驚いて咄嗟に身体を離そうと身を捩る。


「社長！何ですか！」

「………」

俺は彼女を抱き締めたままただ、黙っていた。

どうしたいだとか、どうしようだとか、全く考えてなどいなかった。



「……社長…！」


「…ごめん、……しばらくこのまま……
こうしていて」


「………な、……何で……」


何故なのか……。

きっと、君が………

好きだから……なんだろう。