華麗なる偽装結婚
「阿美子!構わなくてもいい」
そう言った俺を彼女は振り返り睨んだ。
「怜、ひどいわ!いきなり殴るなんて!
きちんと話を聞くべきよ!」
「阿美子さん、いいんだよ。
…兄さんはきっと怖いんだ。
君との結婚が嘘だと知れたら会社を守り切れない。
兄さんは会社のためなら何だってするんだ。
君の人生を変えてまで偽装結婚をさせた男だからね。
だけど、大丈夫。
きっと俺がそんな君を救い出してあげるから。
君に本物の結婚をさせてあげたい。
俺は待つから」
「陸さん」
「勝手な事を言うな!」