華麗なる偽装結婚



――「うん、おいしいよ。
すごくおいしい」

「いやだ、褒めすぎよ。
普通ですよ」


嬉しそうに無邪気に笑う彼女を見ていると、今までの自分の生活があまりに無機質だった事を思い知る。


ずっとこうして君を見ていたい。
いつまでも隣で笑っていてほしい。


バカだよな。
偽装結婚だなんて。
彼女と無感情で過ごせるはずがないものを。


もう君は俺の生活の一部になってしまっているのに。





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