華麗なる偽装結婚


「はい。出来たよ」

「わあ。ありがとうございます」

携帯ストラップを嬉しそうに眺める彼女をそのままキュッと抱き締めた。

「きゃ…。社長」


「阿美子ちゃん……、もう一回言ってよ」

「えっ!」


「愛してる、って」

「いっ!言いません!
もう、言いません」

彼女は真っ赤になって首をふるふると振った。


「ええ?!何でだよ」

「だから、嘘なの!
あれは、ノリで」

「ノリ?!何だよ、それ!」


またしても逃げ出そうとしている彼女の身体をギュッと捕まえる。

「きゃあ!」

「逃がさない」






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