華麗なる偽装結婚



玄関のドアの鍵を閉めてポストにそれを静かに落とす。

カチャン。

無機質な音が小さく響いて一日だけの夫婦生活の終わりを告げた。


さあ。
顔を上げて。

私も次に向かって歩き出さなければいけない。

とりあえずは……、ハローワーク……かな。


私は涙を拭ってエレベーターに向かった。





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