華麗なる偽装結婚
二・真面目秘書に仕掛ける罠
デスクに腰掛けて、プロジェクト資料を手に取る。
「………」
………頭に入るかよ。こんな心境で。
俺の遊びの女を、いとも容易く冷ややかに追い払ったかと思えば、弾みで唇が触れると恍惚と俺を見つめる。
……何なんだ、あの女は。
彼女が秘書でありながら、ボスである俺を世界一嫌っている事は分かっている。
あのようなタイプの女に俺は理解出来ない人種だろう。
俺も、彼女については謎だらけだが。