華麗なる偽装結婚
――稲田 阿美子。
二十三才。
教師を目指していたが失敗し、秘書公募に社員の佐々木達郎の推薦で応募してきた。
彼とは幼馴染みらしく、特別な間柄ではない。
ここでは真面目で固いイメージを貫き通しているが、社を離れるとそうでもないらしい。
男性ともそれなりに色々あるようだし、服装も至って普通に流行りを着こなすようだ。
先週休みには、佐々木達郎とデートに出掛けている。
彼女は長い髪をサラリと下ろし、フレアーのミニスカートを履いて、綺麗な素足に踵のあるカジュアルなサンダルを履いていた。