華麗なる偽装結婚
しかも、最大の疑問は…。
―――俺を男として全く、
意識していない事だ。
確かに秘書に一日中、いちいち色艶のある視線を向けられると仕事としてはやりにくい。
だが、彼女の興味のなさと言ったら、俺がいきなり押し倒しても
『仕事に関係ない事はやめて下さい』
とでも言われそうなほどだ。
……そんな彼女が、先ほどは一瞬、女の目をした。
俺は逃げる様にドアを閉めたが、この俺が。
この俺が、何でこんなに動揺している?