華麗なる偽装結婚

――数ヶ月前。

彼の前任の秘書が出産による退職をするに伴い、新任秘書の募集が行われる事になった事を私はお隣に住む幼なじみの達郎から聞いた。

「俺の会社の社長がさ、秘書を募集するんだ。

阿美子、まだ仕事決まってないんだろ。
毎日ゴロゴロしてないで、ダメ元で応募してみろよ。

お前さ、大学の成績も良かったじゃん。
教師にばかりこだわってねぇでちゃんと次の事、考えろ。
落ちたら一年遊ぶなんて甘いんだよ。
いつまでこうしている気だよ。

今回の募集は、社内公募と社員推薦だけだからそんなに競争率も高くねぇよ。

しかも、うちの社長は………やり手の
超イケメンだぜ」



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