華麗なる偽装結婚
まさか、本当に俺を……。
……いや、いやいや、……
あり得ないだろ。
俺の女関係も全部知っていて面倒な事をこれまで全て片付けてきた彼女だ。
軽蔑こそされど、好かれる要素なんて……。
俺があれこれ考えていると突然彼女が言った。
「分かりました。
………私で良ければ社長の妻になりましょう。
佐倉前社長に会社をお返し致しましょう」
「え……。マジで?……いいの?
…やった…。
ありがとう!阿美子ちゃん!
あ、それと。
安心して。
ずっとじゃないから。
―――三ヶ月もすればちゃんと離婚してあげるよ。
君は俺の趣味じゃないから。
まあ、君もそうだろうけど。
今だけ、ね?
頼んだよ。ちゃんと慰謝料?臨時ボーナス?
は、たっぷりはずむからね」