華麗なる偽装結婚
「……あなたは…、本当に最低だわ。
言っておきますけれど、私があなたの言う通りにしようと思ったのは前社長のためですからね」
阿美子ちゃんはそう言って俺を鋭く睨んだ。
「…たくさんお礼をする事がひどい事なの?
…何だかよく分からないけれど、君にしか頼めない事だから後でやっぱりやめた、なんて言わないでね」
「言いません。
だけど、あなたと結婚したい女性ならたくさんいらっしゃるじゃないですか。
何で私にわざわざ説明してまで頼むんですか?」