華麗なる偽装結婚
俺も……、これまでただ着飾るだけの中身のない女を相手に満足してきた。
偽装とはいえ、結婚するんだ。
阿美子は少なくとも夫婦でいる間は俺の妻だ。
このわずかな時間の間に何故だか彼女に対して芽生えてきた微かな独占欲。
それを何も陸なんかに分かってもらおうなどとは思わない。
「……阿美子さん…でしたか。
兄さんに飽きたらいつでも俺がお相手致しますよ。
俺は彼とは違って女性は大切にするタイプなんでね」