か弱い執事のご主人様
近くで見ると、
余計に可愛く見えてしまう。
冗談抜きに女の子と見間違えるかも。
それはともかく、
自己紹介をした。
それに執事の旨も伝えた。
言わなきゃとは思っていたが、
いざ言うとなると恥ずかしい。
もちろん彼はあたふた。
それに教室中の注目を集めてしまった。
なんだか凄く恥ずかしかったので、
放課後に迎えに来るように伝え教室を後にした。
自分のクラスまで帰り、
さっきの事を思い出す。
彼…岸本葵は終始あたふたしていた。
きっとこういった事に慣れていないのだろう。
でも………
この学院生活を送るためには彼の助けが必要なのだ。
そのためにも、
彼に理解してもらわないと………
そう決心して、
私は次の授業の準備を始めた。
私には珍しく、
放課後を楽しみにしていた。