か弱い執事のご主人様
キャリーバックを持って部屋のドアを開ける。
「今戻りまし……」
なんと………
目の前に下着姿の九条さんが立っていた。
清楚な感じの九条さんからは予想できない黒の下着。
終わったと思った。
九条さんは僕を見て、
呆れたように言った。
「葵、
次からはちゃんとノックをするのよ??」
何事も無かったかのように寝間着を着る。
予想の斜め上をいく反応だった。
こういうのだと、
九条さんが悲鳴とかあげるんじゃないだろうか??
「あの…九条さん??」
「何??」
話し掛けられても普通に荷物を片付けている。
「その…何とも思わないんですか??」
「下着姿を見られた事??」
やっぱり見られたって分かっている。
「すいませんでした…
次から気を付けます………」
「別に気にしてないわ。
下着ぐらい見られたって減るものじゃないでしょ」
「ですけど………」
「本当に気にしてないから、
お風呂にでも入ってきなさい」
そう言って微笑みかけてくれた。
それだけで救われた気がした。
「………分かりました。
それじゃお風呂入ってきます」