か弱い執事のご主人様
お風呂から出ると、
九条さんが何か書いていた。
何かの手紙のようだ。
「何を書いてるんですか??」
「実家に報告の手紙をね。
ちゃんと執事ができましたって、
ちょっと小さくて女の子みたいだけどね」
「あんまりからかわないで下さいよ………
小さいのは結構コンプレックスだったりします………」
僕が落ち込む素振りをすると、
慌ててフォローを始めた。
「あ、ごめんね。
別にいじめるつもりはないのよ、
ほら私って1人っ子だから弟ができたみたいで」
九条さんはフォローしているつもりだが、
あまりフォローになっていなかった。
「大丈夫です………
それより、
時間も遅いので休まなくて大丈夫ですか??」
時間は23時を回って日付が変わろうとしている。
「もうこんな時間なのね、
私は手紙を書き終えてから寝るから先に休んでていいわよ」
九条さんは真面目だから、
途中の物は最後まで終わらせないと気がすまないそうだ。
「そうですか、
なら先に休ませてもらいますね」
執事として主人より先に休むのはどうかと思ったが、
ここは九条さんの好意に甘えさせてもらおう。