か弱い執事のご主人様
その後、彼女は教室に顏を出すことは無かった。
登校初日から気が重かったが、
午前中の授業が終わり、昼休み。
みんなまだ打ち解けられず、
1人でお昼を過ごしている。
僕もそうしようかと、
お弁当の包みをほどいたら…
「一緒いいよな??」
後ろから声を掛けられ、
気がついたらすでにお弁当を僕の机に広げていた。
「まぁ…いいけど………」
この人は確か…安田京介君だったかな。
かなり大声で自己紹介してたから印象強かった。
前の椅子を持ってきて安田君はお弁当を開く。
………僕は目を疑った。
お弁当のレベルが違いすぎる。
「安田君のお弁当凄い豪華だね」
「そうか??
だいたいこんなもんじゃねえの??」
そこで僕は周りのお弁当を見た。
どこを見ても料亭に出てくるようなおかずがぎっしり。
「そっか、みんなお金持ちだもんね」
「まぁそういう学校だからな」
今になって僕には場違いなのかと不安になってきた。